[教養]ネット炎上のカラクリ
2016年5月25日ネット炎上について詳しく掘り下げてみる。
ネット炎上はSNSなどを通して起こるデモ運動のようなもので、炎上すると一時的にアクセス過多になり時間と共に風化していく。
その様がまるで火事のような事から炎上と呼ばれている。
☆炎上はどの様にして起こるのか
炎上騒ぎの殆どは有名人の不祥事、もしくはゲームメーカーなどの不備に対するものだ。
前者はゴシップ、後者はクレームである。
小火を起こすのは当の本人だが、そこに油を投じる存在があって初めて炎上騒ぎとなる。
その油を投じる存在がメディアだ。
かつては通信手段がテレビや新聞、雑誌しかなかったので精々学校や会社などの身内で盛り上がる程度だったものが、ネット文化の発達により動画サイト、ネットニュースの存在が増えた事でより認知されやすく、炎上しやすくなったと言える。
当事者が火を起こし、メディアが油を投下し、傍観者が風を起こしてたちまち燃え広がるという流れで炎上が起こる。
逆に、このどれかが欠ければ炎上は起こり得ないという事でもある。
火を起こした当事者が無名であればメディアは油を投下しないので燃えず、傍観者はあまりにも火の小ささに気付かないので風も吹かない。
火を起こした当事者が有名であってもメディアが油を投下しなければ、傍観者は同じように気付かないので風が吹かず同じように燃え広がらない。
つまり、炎上騒ぎは火を起こした本人よりも油を投下するメディアに原因があるという事だ。
☆油を投じる2ndメディアの存在
メディアと言ってもテレビ、新聞、雑誌だけではない。
寧ろそれらは衰退の傾向にあり、現代の瓦版はSNSや投稿動画サイトだと言える。
テレビの変わりは配信サイトである。
そういった伝聞ツールがネットに一本化する事で生まれたのが2ndメディア。
ネットをよく利用している我々一般的なネット民だ。
テレビ、新聞、雑誌時代に受信者でしかなかった我々が、ネット時代の現代では発信者として様々な活動をしている。
我々ネット民が油を投下し風を起こす事でどんな小さな小火もたちまち炎上騒ぎに発展しやすくなったと言える。
プロのメディアマンが仕事でやってる事を普段から趣味でやってるアマチュアの我々が優れているように見えなくもないが、そこにはプロとアマの違いがある。
それが「情報リテラシー」の有無だ。
☆プロとアマの違い
テレビの番組制作、新聞の製作、雑誌の製作は仕事である。
仕事なので給料が発生している。
という事は、そこにはある程度のルールがあるという事。
そのルールというのが情報リテラシーだ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%83%85%E5%A0%B1%E3%83%AA%E3%83%86%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%BC
アマである2ndメディアにはルールが無い為に、燃料投下のつもりが引火し、果ては炎上するという流れが起こる。
時にはその二次災害がバックドラフト現象のように爆発炎上し、元の小火を鎮火してしまう事さえあるのは面白い点。
実はこの現象、テレビなどでもたまに見かけることがある。
ただしこちらは意図的に起こるので、そこはプロとアマの違いという所だろうか。
☆情報は武器になる
ネット炎上の恐怖は「ログとして残る」点にある。
大半の火種は油や風の存在が無くなれば自然に鎮火し火種も消えるのだが、ネット炎上に関して言えばそうではない。
記憶は上書きされていくので大元はまず残らないが、記録というのはスタックし続けるのである。
書庫のようにいつでもその情報が引き出せる利点はあるものの、それがオープンソースであれば第三者がいつでも持ち出し、再燃させる事も可能という事である。
うまく使えばリバイバルブームのような昔流行ったものを忘れた頃にまた流行らせる事が可能だが、悪用すれば個人を自殺するまで追い詰める事も可能という事だ。
ネットで炎上する/させるという事は、自分がいつでも焼かれる可能性を持っているという事を忘れてはいけない。
☆好奇心は猫をも殺す
人間の記憶は上書きされていくが、情報の記録はスタックし続ける。
その情報を持ち出すのは当時の人間ばかりではない、という事を覚えておいて欲しい。
全く無関係な人間が過去のニュースに惹かれて好奇心でもう一度引っ張りだす事があるのだ。
当然その人もリアルタイムではないにしろ炎上騒ぎに擬似的に参加する・・・ロールプレイする事もある。
そうして生まれるのは新たな2ndメディアなのだ。
現代の情報社会というのはその連鎖で成り立っている。
☆どうせホットなニュースになるのなら
炎上のうまい使い方をしてるのが、「猫の動画」だ。
自分で飼ってる猫を撮影し、SNSや動画サイトにアップするというもの。
「かわいい」「面白い」と話題になり、良い方向に炎上する。
この「猫の動画」のうまい所は「自分を一切出さずに観客を喜ばせる事に一貫している」という点。
要は映画やサーカスといったエンターテイメントの類と同類であり、誰に反感を買うことも無い割と完璧な作品なのである。
あまりにも動画の猫が愛らしい為、その飼い主に誰も興味を示さない。
これがもし「わたしの猫かわいいでしょ!」と書いてあるとそれだけで効果は激減する。
「こんなに愛らしい猫を飼っている私は凄い」と言われているような気がして、その猫がどんなに愛らしくてもただの自慢に成り下がるからだ。
その嫌悪感が酷くなると、段々かわいいはずの猫さえも憎く見え、挙句に攻撃されるようになる。
こうして本来なら良い炎上になる筈が、扱い方1つ間違うだけよくある悪い炎上になる。
☆炎上するのは良くない事?
結論から言えば、炎上自体は悪く無い。
「猫の動画」のように、余計なものをそぎ落とすだけで良い炎上を起こせるという事は、本来悪いニュースでも良いニュースのように感じる事が出来るはず。
良い、と言っても不祥事は不祥事なのでどうしたって善行にならないが、面白くする事くらいは可能だろう。
例えば、よくある不倫騒動であれば「あの有名人、もの凄いモテる事が発覚!その秘訣は?」と話題を逸らすのだ。
「有名人が不倫した事実」は変わらないが、「不倫は悪いことである」と書かず「どうすればそれくらいモテるようになるのか?」とプラス思考に持ってく事で「愛人が作れるくらいモテる方法」に興味を持っていくのだ。
そうなると話題の方向性は「モテる方法はどうすればいいのか?」「あの有名人の真似をすればモテるのか?」となり、その有名人が不倫した事実そのものはどこかへ行ってしまうという寸法。
うまい事行けば「不倫できるくらい甲斐性がある方が良い」とまるで不倫が良い事のように錯覚さえさせる事も出来るのではないか、と考える。
これなら誰も傷つかないし、下手すると不倫した有名人はモテる人として昇華してしまうかもしれない。
その愛人はバッシングされる事無く、逆に愛人である事に誇りを持てるのではないだろうか。
やってる事はただの論点のすり替えである。
普通論点のすり替えは良くないとされるが、それは議論をする上で相手より優位に立つ為のすり替えだから良くないのであって、相手を優位に立たせるすり替えであれば誰も腹が立たないだろうと思うのだ。
この不倫のすり替えであれば、キッカケ自体は有名人の不倫ではあるものの、モテる方法を知る事が出来るのは傍観者なので、見た人が得をしたように感じるのがミソだ。
俗に言う「炎上マーケティング」というもので、実際そこかしこで目にすることが出来る。
炎上は商売にも出来る。
情報社会に生きている以上、どうしてもネットは切れない存在になってしまったので、どうせ付き合うなら良い付き合い方をしましょう。
長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
ネット炎上はSNSなどを通して起こるデモ運動のようなもので、炎上すると一時的にアクセス過多になり時間と共に風化していく。
その様がまるで火事のような事から炎上と呼ばれている。
☆炎上はどの様にして起こるのか
炎上騒ぎの殆どは有名人の不祥事、もしくはゲームメーカーなどの不備に対するものだ。
前者はゴシップ、後者はクレームである。
小火を起こすのは当の本人だが、そこに油を投じる存在があって初めて炎上騒ぎとなる。
その油を投じる存在がメディアだ。
かつては通信手段がテレビや新聞、雑誌しかなかったので精々学校や会社などの身内で盛り上がる程度だったものが、ネット文化の発達により動画サイト、ネットニュースの存在が増えた事でより認知されやすく、炎上しやすくなったと言える。
当事者が火を起こし、メディアが油を投下し、傍観者が風を起こしてたちまち燃え広がるという流れで炎上が起こる。
逆に、このどれかが欠ければ炎上は起こり得ないという事でもある。
火を起こした当事者が無名であればメディアは油を投下しないので燃えず、傍観者はあまりにも火の小ささに気付かないので風も吹かない。
火を起こした当事者が有名であってもメディアが油を投下しなければ、傍観者は同じように気付かないので風が吹かず同じように燃え広がらない。
つまり、炎上騒ぎは火を起こした本人よりも油を投下するメディアに原因があるという事だ。
☆油を投じる2ndメディアの存在
メディアと言ってもテレビ、新聞、雑誌だけではない。
寧ろそれらは衰退の傾向にあり、現代の瓦版はSNSや投稿動画サイトだと言える。
テレビの変わりは配信サイトである。
そういった伝聞ツールがネットに一本化する事で生まれたのが2ndメディア。
ネットをよく利用している我々一般的なネット民だ。
テレビ、新聞、雑誌時代に受信者でしかなかった我々が、ネット時代の現代では発信者として様々な活動をしている。
我々ネット民が油を投下し風を起こす事でどんな小さな小火もたちまち炎上騒ぎに発展しやすくなったと言える。
プロのメディアマンが仕事でやってる事を普段から趣味でやってるアマチュアの我々が優れているように見えなくもないが、そこにはプロとアマの違いがある。
それが「情報リテラシー」の有無だ。
☆プロとアマの違い
テレビの番組制作、新聞の製作、雑誌の製作は仕事である。
仕事なので給料が発生している。
という事は、そこにはある程度のルールがあるという事。
そのルールというのが情報リテラシーだ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%83%85%E5%A0%B1%E3%83%AA%E3%83%86%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%BC
アマである2ndメディアにはルールが無い為に、燃料投下のつもりが引火し、果ては炎上するという流れが起こる。
時にはその二次災害がバックドラフト現象のように爆発炎上し、元の小火を鎮火してしまう事さえあるのは面白い点。
実はこの現象、テレビなどでもたまに見かけることがある。
ただしこちらは意図的に起こるので、そこはプロとアマの違いという所だろうか。
☆情報は武器になる
ネット炎上の恐怖は「ログとして残る」点にある。
大半の火種は油や風の存在が無くなれば自然に鎮火し火種も消えるのだが、ネット炎上に関して言えばそうではない。
記憶は上書きされていくので大元はまず残らないが、記録というのはスタックし続けるのである。
書庫のようにいつでもその情報が引き出せる利点はあるものの、それがオープンソースであれば第三者がいつでも持ち出し、再燃させる事も可能という事である。
うまく使えばリバイバルブームのような昔流行ったものを忘れた頃にまた流行らせる事が可能だが、悪用すれば個人を自殺するまで追い詰める事も可能という事だ。
ネットで炎上する/させるという事は、自分がいつでも焼かれる可能性を持っているという事を忘れてはいけない。
☆好奇心は猫をも殺す
人間の記憶は上書きされていくが、情報の記録はスタックし続ける。
その情報を持ち出すのは当時の人間ばかりではない、という事を覚えておいて欲しい。
全く無関係な人間が過去のニュースに惹かれて好奇心でもう一度引っ張りだす事があるのだ。
当然その人もリアルタイムではないにしろ炎上騒ぎに擬似的に参加する・・・ロールプレイする事もある。
そうして生まれるのは新たな2ndメディアなのだ。
現代の情報社会というのはその連鎖で成り立っている。
☆どうせホットなニュースになるのなら
炎上のうまい使い方をしてるのが、「猫の動画」だ。
自分で飼ってる猫を撮影し、SNSや動画サイトにアップするというもの。
「かわいい」「面白い」と話題になり、良い方向に炎上する。
この「猫の動画」のうまい所は「自分を一切出さずに観客を喜ばせる事に一貫している」という点。
要は映画やサーカスといったエンターテイメントの類と同類であり、誰に反感を買うことも無い割と完璧な作品なのである。
あまりにも動画の猫が愛らしい為、その飼い主に誰も興味を示さない。
これがもし「わたしの猫かわいいでしょ!」と書いてあるとそれだけで効果は激減する。
「こんなに愛らしい猫を飼っている私は凄い」と言われているような気がして、その猫がどんなに愛らしくてもただの自慢に成り下がるからだ。
その嫌悪感が酷くなると、段々かわいいはずの猫さえも憎く見え、挙句に攻撃されるようになる。
こうして本来なら良い炎上になる筈が、扱い方1つ間違うだけよくある悪い炎上になる。
☆炎上するのは良くない事?
結論から言えば、炎上自体は悪く無い。
「猫の動画」のように、余計なものをそぎ落とすだけで良い炎上を起こせるという事は、本来悪いニュースでも良いニュースのように感じる事が出来るはず。
良い、と言っても不祥事は不祥事なのでどうしたって善行にならないが、面白くする事くらいは可能だろう。
例えば、よくある不倫騒動であれば「あの有名人、もの凄いモテる事が発覚!その秘訣は?」と話題を逸らすのだ。
「有名人が不倫した事実」は変わらないが、「不倫は悪いことである」と書かず「どうすればそれくらいモテるようになるのか?」とプラス思考に持ってく事で「愛人が作れるくらいモテる方法」に興味を持っていくのだ。
そうなると話題の方向性は「モテる方法はどうすればいいのか?」「あの有名人の真似をすればモテるのか?」となり、その有名人が不倫した事実そのものはどこかへ行ってしまうという寸法。
うまい事行けば「不倫できるくらい甲斐性がある方が良い」とまるで不倫が良い事のように錯覚さえさせる事も出来るのではないか、と考える。
これなら誰も傷つかないし、下手すると不倫した有名人はモテる人として昇華してしまうかもしれない。
その愛人はバッシングされる事無く、逆に愛人である事に誇りを持てるのではないだろうか。
やってる事はただの論点のすり替えである。
普通論点のすり替えは良くないとされるが、それは議論をする上で相手より優位に立つ為のすり替えだから良くないのであって、相手を優位に立たせるすり替えであれば誰も腹が立たないだろうと思うのだ。
この不倫のすり替えであれば、キッカケ自体は有名人の不倫ではあるものの、モテる方法を知る事が出来るのは傍観者なので、見た人が得をしたように感じるのがミソだ。
俗に言う「炎上マーケティング」というもので、実際そこかしこで目にすることが出来る。
炎上は商売にも出来る。
情報社会に生きている以上、どうしてもネットは切れない存在になってしまったので、どうせ付き合うなら良い付き合い方をしましょう。
長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
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